*オリジナル

□小春日和
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俺も正直眠い
90分間よく眠気に耐えた
自分を誉めてやりたい
田中さんが欠伸をしたものだから
これはチャンスと思って休みを提案した
しかし十五分で寝れるわけない…

がっくりと項垂れて職員室でコーヒーを飲んでいた
休日なのであまり人はいなく
吹奏楽部の顧問の先生が暇そうにグランドを眺めていた
禿げ上がった後頭部が太陽に照らされて光っている

「いい天気ですねぇ」

「ええ、本当に」


いい天気です
先生の頭がそんなに光っているんですから、と心のなかで付け足す


「あれ、神原先生、補講でしたよね?」


先生が不思議そうに聞いてきた
なんで俺の予定把握してるんだよ
サボってると思われるとまずいと思って
プリントを取りに来ました
と言い訳をして職員室をでた
飲みかけのコーヒーがもったいない

しんとしている廊下に突然トランペットの音が響きびっくりする
顧問の先生は職員室にいていいのだろうか。

眠気が収まるはずもなく目を擦って
2年A組にはいる


田中さんが机にふせって気持ち良さそうに寝ていた
睫毛ながっ。そう思ってまじまじと見る
白い肌、黒い髪。
彼氏とか……いそう

それにしてもよく短時間で寝れたものだなと感心して時計を見る
休憩時間はあと10分


眠気に負け机にふせる
机が狭く田中さんと微妙に髪の毛があたってしまうがしょうがない
10分で起きよう必ず
そう誓って重たい瞼を閉じた
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