銀魂

□Answer
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彼は河上万斉。高杉の仲間ということもあってなかなか独特な格好をしている。
しかし、それも個性だと思うとカッコ良くていいやつだ。
クラスは違うから、ここにいるときだけが一緒にいれる空間。
地味で地味な俺は派手でかっこいい友達をもっていなかったので、河上と喋れることがとても嬉しかった。



先生が指名をしていく。
はい、この問題の答えは?
という先生の質問と
それに答える生徒の言葉が、軽快に聞こえてくる。

俺に回ってくるかなぁ、そう思ってると
背中をスッとなぞられた。

ヒッ

意図しない声が喉奥からでた。
犯人は分かる。俺の後ろにいるソイツをキッと睨んだあと、少し笑った。
なにやってるんだ、やめろよー。
それを目で伝えたかったのだ。
河上は微笑すると、前を向いた俺の背中をもう一度、シャープペンでなぞった。

今度は声は出なかった。
振り返る前に、河上が俺の耳元に近づいた。

「ただの暇潰しでござる。気にするな」

そんな近くで囁かれたら、男の俺だってドキドキする。
河上は男前だし男でもときめくのはおかしくない。
でもキュンとしてしまったことに何故かむずむずした。

気にするなって言われても、気にするよ。
そういいたかったけれど、発表が俺の番に回ってきた。


「問5ー山崎、答えろー」

「ま、マイナスきゅーです。」

やけに緊張してしまって声が裏返った。失笑が聞こえる。恥ずかしい

そのあとに発表した河上は普段通り落ち着いていて、腹が立った。
だから授業が終わってからちょっと文句をいった。
でも、河上はずっとバカにしたようにニヤニヤしていて俺の言いたいことが伝わったのかどうか不明だった。
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