sakura
□sin.5
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「キ、キャサリン殿...」
ネコミミ女は桂の声に気付き手の動きを止め、こちらを睨んできた。
「オメーラモタダザケノミニキタノカ?」
どうやら殴られていた男はただ酒を飲もうとしていたらしい。
「いや!少し銀時に用があってな。」
「やつなら二階だよ。」
奥から少し年の食った女、お登勢が出てきて言った。
「お登勢殿、かたじけない。行くぞデイダラ」
「ああ!」
「ソコノマゲ、ヤツニヤチンハラエッテイットケヨ」
「...うん?」
...まげ?...オイラのことではないよな...うん。
デイダラたちはキャサリンの声を背に2階に上って行った。
「すいませーん!銀時君いますか?」
・・・・
「誰も出ねぇな、うん。」
「いるのは確かなんだがな...よし!こうなったら最後の手段だ!」
そういって桂はどこからかパフェを出した。
「すいませーん!一応お土産のパフェも持ってきたんですけどー!」
「ちょっと待て!どっからそんなもん出したんだ、うん!!」
「実は俺の袖は別の空間と繋がっていてな、いつでもどこでも好きなものを取り出せる。ほら」
そう言って桂は自分の袖口から卵かけご飯をだした。だが袖には黄色い染みができている。
「いやどう見ても袖の中にそのまま入れてただろ。めちゃくちゃ卵臭いんだけど。」
「違う!!これはファッションだ!!ファッションモオォォンスタアァァァだ!!!!」
「うるせえぇぇぇ!!!!」
玄関のドアが開いたと思ったら、銀髪で死んだ魚のような眼をした男がいた。名前を言われなくても、この男が”銀時”だと思っただろう。
「オメーら人ん家の前でうるせぇんだよコノヤロー!!なに?嫌がらせ?あ?」
銀時はデイダラの顔をまじまじと見た。
「な、なんだよ、うん。」
「...ヅラ、お前イメチェンしたの?」
「は?」
「こーんな金髪野郎になっちゃって。服装もなんつーかなぁ。『武士たるのいかなる時もなんとかー』つってたのは今は昔ってか?」
わざとなのかわからないが、どうやら銀時はデイダラをイメチェンした桂だと思っているようだ。
「阿呆、俺はこっちだ。俺がこんなチャラっとしたようなのになるわけがなかろう。紹介しよう、デイダラだ。」
なんだか馬鹿にされている気がしたがもうツッコむのはあきらめた。
「よろしくな、うん。」
「坂田銀時だ。銀さん、銀ちゃん、まあ好きなように呼んでくれ。ディダラボッチさん。あ、ボッチて呼んだほうがいい?」
くっそ!!!!
「さっきからオメーらオイラのこと馬鹿にしてんだろ!!!しかもボッチとかやめろよ!今の状況あながち間違ってなくて悲しくなるから、うん...」
「まあ、とりあえずあがれよ。...ヅラ、お前は帰れ」
「なぜだ!!!」
さりげなくデイダラの後ろについてきていた桂に銀時は言った。
「オメーといるとアホがうつりそうだ。あ、パフェと卵かけご飯は置いて行けよ。」
そして桂は閉め出されたのだった。
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