黒子ノ長ィ夢
□-入学-
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帝光中学校
バスケットボール部
部員数は100を超え
全中3連覇を誇る超強豪校
その輝かしい歴史の中でも特に
『最強』と呼ばれ無敗を誇った
10年に1人の天才が5人同時にいた世代は
『キセキの世代』と言われている
が、『キセキの世代』には奇妙な噂があった
誰も知らない
試合記録もない
にも関わらず
天才5人が一目置いていた選手が居たという…
『キセキの世代』の影に隠れ、歴史に名を残せなかった幻の一軍が居た…と
中でも彼にとって、その時代は最高で最悪な…光と影を背負った時代でもあった。
4月…ー誠凛高校ー…
入学と同時に部活への勧誘が盛んになる、その過度な行動は一年生獲得への執念を感じる程だ。
その荒波を意図も簡単に掻い潜り、バスケットボール部への入部届けを提出した水色の髪の男子。
机に座っていたバスケ部関係者も気付かない程の存在の薄さ、帝光バスケ部出身黒子テツヤ。
その背中を見つめる郷愁を含んだ瞳
『久しぶり、テツ』
その声は人混みの中へと消え、彼の足は真っ直ぐにバスケットボール部の机へと向かっていた。
たどり着いた机にはマネージャーらしき女生徒と、部員であろう男子生徒が座っていた。
『バスケ部は、ここですか?』
『えぇ、入部希望?じゃあこの紙に記入をー…』
『あー、入部ってか…マネージャー希望なんですけど。募集してませんか?』
マネージャーを募集していないのかと言われればしていないわけではない、選手のマッサージやテーピングなどはすべてこの女生徒相田リコが行っていたのだ。
しかし違和感を感じたのはその相田リコ本人で、彼女特有の観察眼にはその事実は写っていた。
『募集してなくはないけど、貴方バスケ経験者でしょ?何で選手じゃなくマネージャーなの?』
『見ただけで分かっちゃうんだ、凄いですねー』