鬼灯ノ夢
□寝起きドッキリ
1ページ/2ページ
『鬼灯様を、起こすんです?』
「ああ、頼むよ。君にしか頼めないんだよね」
突然閻魔大王に呼び出された悠哉に降ったのは業務命令とも言えぬ依頼だった、三徹し死人のように眠り続ける鬼灯を起こしてきて欲しいとのことだった。
確かに鬼灯は一度深く眠るとなかなか起きない爆睡型だ、閻魔大王は以前無理矢理起こして回し蹴りをくらった痛い過去がある為行きたくないらしい。
「どうしても今日中に確認して欲しい書類があるんだ、明日は公休だったからゆっくり休んでいいからね」
『チッ、自分で行けよ木偶の坊』
「え?何か言った?」
『いえ、行ってきます』
明らかに聞こえた舌打ちにも耳を塞いで、悠哉の背中を見送った。
「鬼灯君にしろ、扱い辛い部下が多いなぁ…」
閻魔大王の威厳が失われつつある事は気にせずに、廊下を歩いて鬼灯の部屋へと足を踏み入れる。
相変わらず鍵は掛かっておらず不用心、妙なフィギュアや本が無造作に置いてあり殺伐としていた。
正面の奥にベッドがあり、そこに鬼灯の姿を発見した。
爆睡しているらしく、悠哉が側に近寄っても気付かない。