鬼灯ノ夢
□風呂と彼シャツと私
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此処は極卒達が日頃の疲れを癒やす大浴場、岩製で出来ておりかなり頑丈であることから閻魔大王もちょくちょく利用しているらしい。
丁度日付が変わる頃、そこに人の気は無く一人の極卒がザバッと湯船に飛び込んだ。
皆が入浴している時間帯に炬燵で爆睡していた為に、入浴する時間がズレてしまった天邪鬼の悠哉である。
『ふぅ〜、地獄だけど極楽極楽〜』
広い湯船を堪能するように大きく手を伸ばす、誰も居ない為独り占めできるその感覚に表情を緩ませぷかぷかと泳ぐ。
愛用の金魚草の玩具も持ち込み済みだ。
満足気な悠哉の知らぬ所で、脱衣所に不穏な影…。
ゴソゴソと動きまわったと思えば、風呂に入らぬまま脱衣所を後にした。