鬼灯ノ夢
□sweet dream
1ページ/2ページ
「今日はこの位にしておきましょうか…」
昼間は視察に周ったりと多忙故深夜まで書類の整理をしていた鬼灯、とりあえずの見切りがついたのか机の上を片付けてその場を後にした。
寝静まった閻魔典の薄暗い廊下を歩くと、ひたひたと自分の足音だけが不気味に聞こえる。
自室の扉はそのまま開くように鍵は閉めず開けっ放しにしている、理由は2つあり1つは無断で入るような恐れ知らずは滅多に居ないからだ。
2つ目は、前触れもなく訪ねて来る者の為…。
「そろそろかとは思ってましたが、連絡ぐらい寄越しなさい馬鹿者」
中へ入ればベッドの上で丸くなる獣の姿、暗い中でもその白銀の毛のせいでぼんやりと光ってみえる。
静かな寝息をたてて眠るのは、白虎の湊。
仕事で疲れた時や体調が悪い時、もしくは気持ちが落ちている時こうして鬼灯が居ない事を見計らってベッドで休む。
そうゆう時は獣の姿に戻っていることが多い、そっちの方が気持ちが落ち着くらしい。