ラブライブ!The School Idol Movie Full Throttle
□迷いの先には何があるのか
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その頃、千代田区の帰り道でバイト帰りの紘汰はμ'sの今後について歩きながら考えていた。
紘汰「結局、決まらなかったな…俺だったら、どうすりゃいいんだろうな」
紘汰は自分の立場も考えてμ'sは続けるか終わるかを悩んでいると、遠くから誰かが急いで走っている姿が見えた。それは、先程ツバサからの着信を受けた穂乃果だった。
紘汰「穂乃果?あんなに急ぎながら走って、何処に行くんだ?」
気になった紘汰は穂乃果の跡を追い始めた。やがて、穂乃果が走って着いたのはUTX高校だった。その前で立っていた綺羅ツバサの姿を見た穂乃果はツバサの名前を呼んだ。
穂乃果「ツバサさん!」
ツバサ「穂乃果さん?」
穂乃果「遅くなってすみません。あと、お久しぶりです!」
ツバサ「おかえり……って、その格好は何?」
穂乃果「え? あぁぁっ!?」
穂乃果は自分の姿を見ると、服はピンク色パジャマのままで薄めの緑色コートだけだった。
穂乃果「い、いや〜慌てていたもので…」
ツバサ「そう。それじゃあ、後ろの彼も気づかなかったという訳ね」
ツバサの言葉を聞いた穂乃果は後ろを振り向くと、穂乃果の跡を追っていた紘汰がいた。
穂乃果「紘くん!どうして此処に?」
紘汰「穂乃果が急いで走っている所を見かけてな。それで跡を追ったらツバサと会う事だったんだな」
穂乃果「う、うん…///」
穂乃果は少し頬を赤くしていた。自分の姿は今明らかに歩いていた人や紘汰に見られていた事に。すると、ツバサは穂乃果と紘汰に話しかけた。
ツバサ「ねぇ2人とも、少し時間ある?車を待たせてあるの。ドライブしましょ?」
穂乃果・紘汰「ド、ドライブ!?」
ツバサは穂乃果と紘汰にA-RISE専用の車であるリムジンを乗せると、リムジンは走り出した。
紘汰「すげぇ!これがリムジンか〜!うおぉ!!座り心地が最高〜!!」
穂乃果「本当だ〜!ふかふか〜!」
リムジンの中を満喫する穂乃果と紘汰にツバサ達は少し苦笑いしていると、ツバサは咳をはいて話し出した。
ツバサ「どうだった?向こうは…」
穂乃果「あ、はい。とても楽しく勉強にもなりました!」
英玲奈「そうか」
あんじゅ「ライブも大成功だったみたいね」
ツバサ「周りはその話題で持ちきりよ」
穂乃果「いやぁ…そんな…///」
頬を赤く染めて頭をかく穂乃果にツバサは話を変え始めた。
ツバサ「それで、次のライブはどこでやるの?」
穂乃果「えっ?それは…」
ツバサの言葉に穂乃果は顔を俯いてしまうと、ツバサは穂乃果の顔を見てお見通しだった。
ツバサ「その顔は、どうしようって顔ね」
穂乃果「μ'sは3年生が卒業したら終わり。それが一番いいと私たちは思っていました。でも、今はすごいたくさんの人が私たちを待っていて、ラブライブに力を貸せるくらいになって!」
ツバサ「期待を裏切りたくない」
ツバサがそう言うと、穂乃果は話し続けた。
穂乃果「応援してくれる人がいて、歌を聴きたいといってくれる人がいて、期待に応えたい…ずっとそうしてきたから…やっぱり…」
あんじゅ「だったら続けたら…」
穂乃果「思います。でも…」
紘汰「それが穂乃果達にとって本当の答えなのかどうかなんだ…」
すると、あんじゅは手元から一つの紙を穂乃果に手渡した。
穂乃果「これは?」
あんじゅ「私たちをこれからマネージメントしてくれるチームよ」
紘汰「マネージメント…?」
ツバサ「私たちは続けることにしたの。学校を卒業してスクールアイドルじゃなくなっても3人としてA-RISEとして歌っていきたい、そう思ったから…」
穂乃果「…ツバサさん…」
ツバサ「あなたの気持ちはわかっているつもりよ。私も迷った」
英玲奈「ラブライブを目指し、スクールアイドルを続け…」
あんじゅ「そして、成し遂げたときに終わりを迎えるのはとても美しいことだと思う」
ツバサ「でもね、やっぱりなくなるのは寂しいの。この時間を、この一瞬をずっと続けていたい!そして、お客さんを楽しませ、もっともっと大きな世界へ羽ばたいていきたい!そう思ったから、私たちは…」
ツバサ達の言葉に心の中で同意する穂乃果と紘汰だったが、逆に悩みが増えた気がした。それから、ドライブを終えて穂乃果と紘汰はA-RISEと別れてリムジンから降りた。
穂乃果「ツバサさん、今日はありがとうございました」
ツバサ「いいのよ……穂乃果さん、さっきの話を聞いてあなたがどういう結論を出すかは自由よ。でも、これだけは言っておく。私たちは続ける、あなた達も続けてほしい」
あんじゅ「共にラブライブを戦ってきた仲間として、これからも…」
穂乃果「はい!」
ツバサ達と別れた穂乃果と紘汰は家に帰ろうとすると、紘汰は穂乃果に話しかけた。
紘汰「穂乃果!俺は、μ'sを続けてもいいと思っている。けど、これは俺自身がそう思っただけだから…お前の本当の答えが知りたい」
穂乃果「うん。考えておくよ…」
穂乃果はそう軽く小さく呟くと、紘汰と別れて家に帰っていった。
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