ラブライブ!サンシャイン!!ー18人の軌跡ー

□#2:転校生を捕まえろ!
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それから作詞を始めてから10分が経過したが、千歌は頭を抱え、歌詞にする言葉を思いつくことも何も出来ず、千歌の前に広げられたノートは真っ白で何も書かれていない。

千歌「う〜ん…はぁ…何も思い浮かばないよ〜!」

曜「あはは…やっぱり……」

梨子「はぁ……」

それを見ていた梨子も、千歌を見て呆れてものも言えない表情をしていた。
 
梨子「やっぱり…恋の歌は無理なんじゃないの?」

千歌「いやだ!μ'sのスノハレみたいな曲がいいの!」

梨子「とはいっても、恋愛経験もないんでしょ?」

千歌「うっ…それは…ないけど…?」

梨子「じゃあやっぱり…恋の歌は無理よ…」
  
千歌はμ'sの曲の中に恋の歌と言われる『Snow halation』みたいなのを作ろうと考えるが恋愛経験もない千歌には書けないに決まっていると梨子は思い、恋の歌を諦めさせようと言い放つ。
 
千歌「でも、μ'sがこの曲を作れたってことは、この曲を作っていた時に恋愛してたってことだよね?」

梨子「なんでそんな話になるのよ?作詞でしょ?」

千歌「気になる…。ちょっと調べてみる!」
 
そう言って千歌は自分の目の前にパソコンを持ってきて、μ'sで誰が恋愛をしていたのかを、慣れた手つきで検索を始めた。
 
梨子「本当に恋愛してたわけじゃないと思うけど…」

千歌「でも気になるし!」

梨子「はぁ…何でこうなるの……」
 
千歌の行動に呆れも呆れまくる梨子の表情を見て、弁解するように、曜はある一言を梨子に告げる。
 
曜「千歌ちゃんは今、スクールアイドルが大好きっていうか、“恋”してるからね…」

梨子「……えっ?今…なんて…?」
 
すると、曜が今言い放った言葉に、作詞をする上でのヒントが含まれていることに気付いた梨子は曜の方を見る。
 
曜「千歌ちゃん!」

千歌「何?どうしたの?」
 
曜「こう考えたらいいんじゃないかな?スクールアイドルに対して、ドキドキする気持ちとか、大好きっていう感覚とか、そういうのなら書ける気しない?」

千歌「…っ!うんっ!書ける!それなら…私ならいくらでも書けるよっ!」
 
千歌はそう言って喜びの笑顔を見せると、置いていたパソコンを横に置き、真っ白だったノートにペンで歌詞を書き始める。
 
千歌「えっと、まず輝いているところでしょ?それから…えへっ…あとね…えへっ…えへへっ♪」
 
千歌は笑顔を絶えず、ペンをひたすら動かす。そして作詞を始めてから5分もしないうちに、千歌は歌詞を完成させたようだった。

千歌「はい!出来たよ!」

梨子「えっ…?もう出来たの!?」

千歌「ううん、これは参考だよ。私ね…こんな曲が作りたいなって思ってるの!」
 
千歌が書いたのは歌詞だったが、どうやら参考としてこの曲を作れたいと望んでいる歌詞らしい。
千歌が梨子に手渡したノートを見てみると、書かれていたのは『ユメノトビラ』という文字で、下にはその曲の歌詞のような言葉が並べられていた。
 
梨子「ユメノ…トビラ…?」

千歌「そう!『ユメノトビラ』!」

曜「私も聞いたことない曲だよ」
 
千歌「私ね、その曲を聞いて…スクールアイドルをやりたいって思った。μ'sみたいにキラキラしたいって本気で思ったの!」

梨子「μ'sみたいに…?」

千歌「うんっ!頑張って努力して、みんなと力を合わせて、奇跡を起こしていく。私でも出来るんじゃないかって…今の私から、変われるんじゃないかって…そう思ったの!」

梨子「……そうなんだ」
 
千歌の思いを聞いた梨子は、納得気味の表情で笑っていた。でもどこか、少し寂しげな表情としても見て取れた。
 
梨子「大好きなのね…μ's」

千歌「うんっ!大好きだよ!」
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