闇夜の星
□第1話
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一瞬、空気が張りつくのを感じた。
『っ!』
俺はとっさに全員の顔を見回した。
どうやら ブレイクとレイヴンは、俺と同じように何かに気づいたようだった。
「ブレイク?」
シャロンお嬢様は気づいていないようで、立っている場所が少し危険だ……。
そう思っていた矢先、ブレイクがシャロンお嬢様の腕を引き、胸に抱き寄せた。
とっさに俺も数歩下がった。
その瞬間、大きな音と共に、旋風が巻き起こった。
「な…」
「……!」
シャロンお嬢様とレイヴンは各々、驚きの表情を浮かべている。
ブレイクはいつもとあまり変わらない表情をしている。
『これは……驚きだね……』
「自力でアヴィスから出てきちゃいましたヨー。彼。」
「……っ」
シャロンお嬢様はいまだに驚いた顔で硬直している。
「ありえません…こんなこと…」
その間にも、レイヴンはオズ=ベザリウスに駆け寄り、心配そうに抱き起こしていた。
「ま 結果オーライってことでいいんじゃないですかァ」
『……あぁそうだな』
「そう…ですね…」
シャロンお嬢様がオズ=ベザリウスに歩み寄りつぶやく。
「…ようやくパンドラの鍵を手に入れました これでもう後戻りはできませんね たとえ この方が破滅をもたらす堕天使だとしても━━━━━」