闇夜の星

□第1話
2ページ/11ページ




一瞬、空気が張りつくのを感じた。

『っ!』

俺はとっさに全員の顔を見回した。

どうやら ブレイクとレイヴンは、俺と同じように何かに気づいたようだった。

「ブレイク?」

シャロンお嬢様は気づいていないようで、立っている場所が少し危険だ……。

そう思っていた矢先、ブレイクがシャロンお嬢様の腕を引き、胸に抱き寄せた。

とっさに俺も数歩下がった。

その瞬間、大きな音と共に、旋風が巻き起こった。

「な…」

「……!」

シャロンお嬢様とレイヴンは各々、驚きの表情を浮かべている。

ブレイクはいつもとあまり変わらない表情をしている。

『これは……驚きだね……』

「自力でアヴィスから出てきちゃいましたヨー。彼。」

「……っ」

シャロンお嬢様はいまだに驚いた顔で硬直している。

「ありえません…こんなこと…」

その間にも、レイヴンはオズ=ベザリウスに駆け寄り、心配そうに抱き起こしていた。

「ま 結果オーライってことでいいんじゃないですかァ」

『……あぁそうだな』

「そう…ですね…」

シャロンお嬢様がオズ=ベザリウスに歩み寄りつぶやく。

「…ようやくパンドラの鍵を手に入れました  これでもう後戻りはできませんね  たとえ この方が破滅をもたらす堕天使だとしても━━━━━」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ