闇夜の星
□第1話
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薄暗い森の洋館の中で、ルイたちは ある作戦の準備をしていた。
「鳥のさえずり 差し込む陽光
お茶を飲むには最高のシチュエーションですネ♡」
『……あぁ そうだね ケーキも…うまいし』
机の上に置かれたケーキを本当に美味しそうに、ゆるんだ顔で食べながらルイは答えた。
「いい加減ティータイムは終わりにしてください ルイ ブレイク」
ゆったりお茶を楽しんでいる二人を、あきれるように シャロンがたしなめる。
「不謹慎ですよ」
「いーじゃないですか シャロンお嬢様
道がつながるには まだ時間があるでしょう?」
さして反省した様子もないようで、二人は言い訳し始めた 。
『……それに……さっきまでお嬢様も……』
「なんですか?ルイ 私がなにか?」
『……いや……別に……』
ふてくされたように、ルイは うつむきながら答えた。
「まったく……君もこっちでアメでも食べないカイ?《若様》♡」
「結構だ」
『ふっ……若様か 』
バカにしたようにルイは鼻で笑った。
それを聞いたレイヴンは無言でルイを睨んだが、 ルイは全く気にしてはいない様子だった。
「コラコラやめてあげなさいよ 海ガメ かわいそうじゃないですか」
『?俺も名前隠すのか?帽子屋?』
「いや それはいらないデショウ
それより レイヴンも ルイくらいの余裕を持ってないと……
出来ることも失敗しちゃいますヨォ?
ただでさえ今回の任務はレインズワース家の独断デス
組織に対しても内密のことなんですから しっかりやってくださいネー」
『大丈夫………失敗なんてしないよ』
「えぇ さぁ!そろそろ準備を始めましょうか 私達の手でオズ=ベザリウス様をお救いするために━━━!」
動き出した4人。
ここからそれぞれの物語は 一気に進んでいくことを彼らは、まだ 知らない。