逆巻家での舞踏会T
□いつもと違う彼/シュウver
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貴「シュウさーん、起きて...起きて下さい。」
ぺしぺしと肩を叩くが全く反応はない。
シュウ「........」
それどころか眠りをかましている彼。
貴「シュウさーん......」
なぜ、私は介護士もどきの事をしているのだろう。
貴「もうシュウ.....さんっ!今日は皆で食事する日なんでしょう!?行きますよ!」
こうなったら無理矢理!とシュウさんの手を自分の肩に担ぎベッドから引きずり下ろそうとする。
すると、ようやく目を覚ましたのかシュウが起きて.....
シュウ「......ん、面倒くさい....アンタだけで行ってこいよ」
そのまま私についてきてくれたワケもなく私にずるずるとベッドで引きずられながらそのまま目を閉じた。
貴「......っ、..シュウさん..!」
それもこれも全て目の前にいる彼.....逆巻シュウ様のおかげである。
貴「今日はお父さんから決められた皆で食事をする日ではないんですか?皆多分集まってますよ!」
こうなりゃ意地だとベッドから下ろそうとしてもベッドからはどうしても下りてくれない、というか下ろせない。
さすが男の人...とでもいうべきなのだろうか。
女の私一人じゃとてもじゃないけど一階の大広間に運べそうにない。
貴「もう....シュウさんってば......」
諦めて力を抜く私。
私って多分、ここに住んでいる人の中で一番の苦労人だと思う。
吸われそうになって、殺されそうになって、でも生きていて...
それでも逃げ出そうとしない私っておかしいのだろうか。
シュウ「.........」
シュウさんが動かなくなって、あぁまた寝ちゃったんだなと半ば投げやりな気持ちでベッドの端に座り込んだ。
シュウさん動かないんだから座るくらい、いいよね..?
貴「はぁ....最近ずっと素っ気ないし、どっちかっていうとお年寄りかっていうくらい動かないし。なんだかんだ言って長男なのにわがままなんだよ」
そんな愚痴ともとれる独り言を誰にも聞こえてないと思って足をぶらぶらさせながら口走った。
うん、皆さんさすがにお察しが良いようで。
実は聞こえていたんですよね、張本人様に。
貴「長男なんだからもっと凄いぞ!ってとこでも見せてくれたら..........、きゃっ!!?」
.........ドサッ、
シュウ「....じゃあ、アンタに凄いとこ見せればいいの?」