-幻夢の華-
□24時間のエチュード
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レイジ「この屋敷に住むからには我々と共に過ごす....ということになりますから貴女は私達に合わせなければいけません。なので我々にとっての朝....つまり貴女方のいう夜に起床。最低でも昼に就寝になります。分かりましたね?」
貴「......はい.........レイ、さん。でしたっけ」
鎖羅の言葉にレイジは固まった。
レイジ「......頭の悪い人間は関心しませんね、もっと覚えるということを身につけなさい。まずヴァンパイアの成れの果てで穀潰しのシュウ、そして私がその次男のレイジです。それから三つ子が......」
貴「...........」
.........は、話が、長いです。レイさ.....レイジさん。
記憶がまたまた飛んでいたらしい私はたまたま通りかかったライトによって自分を取り戻すことができまして、
そのまま去ろうとしてるライトをどうにか引き留めて自分の部屋はどうすればいいか聞いたんです。
私はてっきり"あの角を曲がって○○に進んだら....."みたいな台詞が返ってくるんだと思ったのよ
なのにライトは
"自分の部屋?そんなの空いている部屋のどこでも使っていいんじゃない。あ、汚れてるだろうけど"
といかに鬼畜な性格だとお分かりなれる回答を頂きまして。
....いや、そこまではいいのよ。まだ自分でああ仕方ないんだなって納得がいくのよ。
聞いてほしいのはここから。
空いている部屋って言ってたから自分でどの部屋がいいか選んでたのよ私。
その時の気分で一番端の部屋を選んでその扉を開けたのね。
すると、
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ギィィ.....
貴「....ここなら風通しも良さそうだし、ここでいいかな。あっ....お風呂とかトイレとかどうするんだろう......そもそも屋敷の間取りとか分かんないんですけど」
自分では独り言として喋ったのよ、誰もいないだろうから。
「間取りなら今から教えます。一度聞いただけで覚えてください。後これからの貴方の過ごし方ここでの貴方の立場も教えますので、これも一度きり。分かりましたね?」
貴「へぇ〜、ここでの過ごし方か.....。どんなのだろう........」
この部屋はそんなことまで教えてくれるのね。
...............。
貴「........はっ!?」
私は思わずそう叫んでしまいました。
「.....その言い方は下品です、これから貴方も逆巻の住人になるのです、ものの言い方を改めなさい」
貴「..えっ、ちょっと待って...いや、あの話がついていけないんだってば!」
丁度自分の後ろから声が聞こえたので私は言葉の勢いに任せて振り向いた。
するとそこに居たのは見たことのあるお方で。
貴「あれ..?えっーと......すみません、名前..教えてもらっていいですか」
そう聞くとしかめっ面でこちらを向いていた彼ははっと驚き、そして頭を下げた。
「...私としたことが、申し遅れました私、レイジと申します。呼び方はそのままで結構ですので」
前例の逆巻様達の様に理不尽な事を言うのかと思いきや以外に礼儀正しく答えられたので"あ、こ..こちらこそ"みたいな愛想のない返事になってしまった。
....あ、待ってなんか忘れてない?
貴「..........。えっ、いや...ちょっと、ちょっと待って!」
いや、普通に人が居るかのように私も対応してしまったけれど!!
.....私、ここの部屋に入るのは初めてなんですけど?
貴「....なぜ、ここに居られるのでしょうか」
なぜ、ここに私が入ると分かったの!??
さすがにヴァンパイアでもそんなことは分からないハズ.....だよね!?
不思議でたまらないのとそのなんでも分かっている、って感じの相手の支配感に恐怖を覚えてしまった。
レイジ「簡単です、貴方が居たからこの私がわざわざ出向いてやったに決まっているでしょう」
ですが、肝心の......レイさん、だっけ。彼は私が来たからここにやって来たというのだ。