text
□if〜もしもの世界〜二人の日常
1ページ/4ページ
ミックスジュース
珍しくカウンターに座るナツの前にジュースがコトリと置かれた。
「ミラ、俺はジュースなんて頼んでねーぞ?」
「ふふ、これは試作品のミックスジュースなの。ナツは味覚が敏感じゃない?だからアドバイスしてほしくてね。」
「ふーん、俺の感想でもいいのか?」
「ええ。」
ナツはコップを手に取り、まずは匂いを確認する。
(…おかしな匂いはしねーな…果物の匂いだけだ…)
ミラはいつも通り、ニコニコとしている。
ぐいっとコップを呷った瞬間。
「おっはよーナツー!!」
「ぶはっ!?」
ナツの背後からルーシィが勢いよく抱きついてきた。
当然、ミックスジュースはナツの喉を通らずに顔面を直撃した。
「あれ?」
「あらあら。」
「…」
べろりと口の周りについたジュースを舐めとり、ナツはミラに向き合う。
「味は悪くない。少し酸味がキツイ感じがする。青リンゴじゃなくて完熟したリンゴの方が俺は好きだ…」
「ありがとナツ。ところでいいの?ルーシィ逃げるわよ?」
そうっと逃げ出そうとするルーシィをナツが追いかける。
「逃がすかああああーーーー!!」
「きゃあああーーーごめんなさーい!!」
静かだったナツが、ルーシィが現れてからは感情をだすようになったとミラは思った。
(でも、まだルーシィの前だけなんだけどね。ふふふ。今日は偶然とはいえ良いもの見れたわ。)
.