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□if〜もしもの世界〜ギルドでの日常?
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今日のフェアリーテイルは、何時も以上に騒がしい。


「ルーシィの退院とハッピーの無事、そしてナツの化けの皮が剥がれたお祝いにかんぱーい!!」
「ルーシィとハッピーはともかく俺の化けの皮ってなんだ!?」

ナツのツッコミは華麗に無視され、宴会は開かれた。


「エルザ、グレイいろいろありがとう。あのね、これナツと私からのお礼。」
「なんだ?気にすることはないのだぞ。」
「そうだぞルーシィ。仲間に遠慮はいらねーぞ。」
「うん、ありがとう!でも気持ちだから受け取ってほしいんだ。エルザにはケーキだよ、グレイはこれ。」


すっかり元気になったルーシィを見て二人は安堵する。
退院の時に迎えに行ったが、まだ体調は完全とは言えなく列車に乗るとすぐに眠りこんでいたのだ。ナツはエルザの鉄拳を受けて眠っていたが…
二人は早速お礼の中身を確認するため、包みを開くと、エルザは輝き、グレイは何やら震えている。

「おおおお、ここれは!!ルーシィ!!これはあの超有名店のお一人様ひとつのケーキではないかっ!!しかもふたつ!!」
「うん!!朝早くにナツに叩き起こされて二人で並んだんだぁ。」
「ナツもっ!?」
「うんナツも。」

女性だらけの列に厳ついナツがルーシィと並んでいるのを想像し、エルザは豪快に笑いだす。
ハッピーもつれていったが、猫は御遠慮下さいと言われ、思い切り落ち込んでいたのは別の話。


「ナツーーー!!!!」
「おう、グレイ気に入ってくれたか?」

グレイの怒りの叫びにルーシィは驚いていたが、ナツは飄々と答える。
何やらお礼の品を握りしめナツに詰め寄っていた。
実はグレイへのお礼の品はナツが準備した為にルーシィは中身を知らなかった。

「何だこれは!!」
「なんだ?着方がわかんねーのか?俺が教えてやんよ。」

どうやら服を贈ったようだが、グレイに服はないだろと誰かが言ったがが、ナツはお構いなしにニヤニヤと笑いながらグレイにそれを素早く着せた。



一瞬ギルド内が静まり換える。


笑いを堪えていたナツだが、服を着ているグレイの姿に大笑いし始める。
一体どこで手に入れたのかは謎だが、グレイが着ているのは『拘束服』。
着せられた本人は恥ずかしいのか、それとも怒りの為なのかは分からないが顔を真っ赤にしている。(どう見ても後者だろうが…)


「かっかっかっ!!言葉が出ねー程嬉しいかグレイ?苦労したんだぜ。それ手に入れんのは!」
「…こんの、クソ炎があああああ!!!!」

流石というか、なんというか、グレイは一瞬で拘束服を脱ぎ捨てる。
そのあまりのも凄い早技を目の当たりにした仲間達は、誰もが目を疑った。
まさかの事態にナツも驚きを隠せなかったが、怒涛の氷の魔法を避けながらナツはいまだに大笑いをしている。
ナツが避ければ他の誰かに魔法が当たるのは当たり前な事で、結局はギルド全体が巻き込まれ賑やかな喧嘩に発展していった。

カウンターに居るルーシィとエルザは、そんな様子を見ながら仲良くケーキを食べていた。

「あ、ナツってば凄い上機嫌だ。」
「ん?なぜわかる?」
「あの、かっかっかっていう笑い方はホントに機嫌がいいとでてくる笑い方なんだよ!」
「ほう、では貴重な瞬間という訳だな。ふふ」
「うん!!よーし!あたしナツの所にいってきまーす!!」

危ないぞ。という前にルーシィはナツに向かって走り出してしまった。
エルザの手が空を切るが、ナツが居ればルーシィは怪我をしないだろうと考え直しケーキを食べることに集中した。

「ナーツー!!」
「うおっ!!ルーシィ危ねえ!!」

喧嘩の合間を駆け貫けて腕の中に飛び込んできたルーシィをナツは受け止める。
ルーシィは抱きとめてくれたナツの首に手をまわし、唇に触れるだけのキスをした。
当然固まるナツ。

「ナツ!!大好き!!」

その瞬間、ギルドが壊れんばかりの歓声が上がった。


おしまい

――――――




おまけ




「しかし、何故ナツはグレイに拘束服を?嫌がらせにしか思えんが?」
「あいさーその疑問にはおいらが答えてあげるよエルザ君!!」
「では教えてくれるか?ハッピー先生。」
「くふふ、それはねエルザ…」
「ふむふむ…」
「教団でグレイがルーシィをおんぶしたからだよ!」
「いや、しかしそれはしかたの無かった事なのではないのか?」
「甘いよエルザ。いくらナツだからってそれくらいじゃ怒んないよ。」
「では何故だ?」
「ルーシィをおんぶした時、背中にルーシィの胸が当たってグレイ鼻の下が伸びていたんだ!!それにナツがやきんごふっ!?」


ハッピーの口には遠くからナツが投げ込んだ魚が見事に納まっていた。

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