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□グレイの災難
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「悪いがルーシィ…その話は無かった事に…」
「えー、グレイにはうってつけだと思ったのになぁ。ま、いいか。ささ、グレイ!!とにかく行こう!!団長さんが待ってるよ。」
「もう受注してんのかよ!?」

ナツがエルザと仕事へ出かけた為、今日のルーシィはハッキリ言って暇だった。暇なのでグレイに仕事を押し付けて遊ぼうと考えたようだ。
ジュビアが嫉妬丸出しでルーシィに詰め寄ってきたが、本人は全く気にもせずに、ジュビアに依頼書を見せる。

「ねえねえジュビア、これってグレイには持って来いの仕事だと思わない?」
「た、確かにそうですが…でもこれって…女性役…ですよ…」

グレイ様にならなんでもできますうぅな、ジュビアにしては珍しく言葉が詰まっていた。

―――『演劇アナと雪の女王』の公演にあたり、雪または氷の魔法の使える魔導士募集中―――

ここまでは、演劇の特集効果だとこの依頼書を見ていた魔導士たちは思っていたが、実は違っていた。

―――注)エルサ役―――

「…え、エルサ…ですか?」
「うん、ジュビアも似合いそうだけど、水でしょ?グレイがジュビアの水を凍らすって手も有るけど、二度手間じゃない?なら、やっぱりグレイが適役だと思うの。それに団長さんがわざわざフェアリーテイルに依頼してるって事はグレイにしてほしい手ことでしょ?」

ニコニコと屈託の無い笑顔で説明され、ジュビアの毒気が段々と抜けていく。
ジュビアの目の端でグレイが逃げ出そうとしていたが、何故かミラが足止めしていた。
ルーシィは既に看板娘を味方に付けていたようだ。
『あいつは自分が楽しいと思った事には努力を惜しまない奴だ。』と、以前ナツがぼやいていた事をジュビアは思い出した。

「大丈夫!!ジュビアにはエルサの相手役とってきたから!!」

そして、その言葉でジュビアもルーシィの味方へと変貌してしまった。

哀れグレイ、ミラにコルセットを無理やり巻かれ、女性特有のラインを強制的に作られると、流れるデザインのドレスを着せられた。
ここまでは順調(?)だが、一番の問題である脱ぎ癖はどうなったかというと…

「あ、そうだグレイ。もしもドレス脱いじゃったらナツに言うね?」

その後更にルーシィは爆弾発言をする。

「グレイが仕事でも女装したって聞いたら、きっと大爆笑してくれるよ?あたし的にはナツの笑顔見れて嬉しいけどな。あ、やっぱり脱いでいいよ(はーと)」



で、

その言葉で、演劇は大成功を収めたとか。
大成功を祝う中で何故か頬を膨らませ、不貞腐れたルーシィが居た。

「つまんなーい。ナツの大爆笑してる姿、見れなくなったじゃない。ぶー。」
「オイラ質問するけど、もしかしてそっちが目的だった?」
「当たり前じゃない。」

おそまつ

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