BOOK ハイキュー!!

□烏養繋心01
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 体育館の片隅に選手たちを集めて、ミーティング。
 しばらくは大きな試合もないから、練習時の打ち方で気になった点など、個々への細かい注意だけで済ませる。

「それでは皆さん、1日お疲れ様でした。この後自主練をする人は、怪我などに気をつけて。体育館の鍵は、いつも通り最後の人が職員室まで持って来てくださいね。あまり遅くならないように」
「「はい!!」」
「じゃあー、解散!」
「「ありがとうございました!!」」

 夕方から叫びまくって、声が掠れた。
 異音を発する喉を、咳払いで何とかしようと誤魔化す。

「先生、コーチ。お疲れ様でした。お先に失礼します」
「失礼します!」
「はい。清水さんも谷地さんも、お疲れ様でした。また明日もお願いします」
「気ィ付けて帰れよー」

 マネージャー2人に続いて体育館を出て行くのは、月島。
それに若干遅れて、山口。

 1年馬鹿コンビ、もとい、日向と影山は、いつも通り自主練していくんだな。
 参加率半々くらいの3年トリオは、今日は全員残るようだ。

 田中と西谷のコンビが騒ぐ、日常の体育館を見遣りながら、そっと息を吐いた。

 武田先生にしつこく誘われて始めたコーチだが、こいつらが、こいつらのバレーが、すっかり好きになっている。
 1年も満たない期間で選手が変わるのが当然である高校スポーツだが、俺は、いつまでもこのメンツでバレーが出来ればいいのにと、らしくないことをかんがえはじめていた。

 ――ずっと続くなんて、そんなことはありえないのに。


2016/10/11〜2016/10/12

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