BOOK ハイキュー!!

□黒尾×月島03
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《ツッキー背伸びたんだって?》

 オフにしていた画面に浮かぶ新着メッセージ。
 どこからそんな下らない情報が漏れたんだと考えて、答えは一瞬で分かる。

 どうせ、日向から音駒のセッター経由だ。

《黒尾さんは伸びましたか?》
《あーまだ測ってない》
《伸びてるといいですねえ。ますます僕との差が開いちゃいますよwww》
《うるせえうるせえ。ツッキーはもっと飯食って筋肉付けろ。縦に長いだけじゃ駄目だぞ》
《そっちこそうるさいデス》

 身長があるだけじゃいけない、そんなこと僕だって分かってる。
 だって合宿で、嫌というほどこの人に吹っ飛ばされたし。

《まあまだ一年だし、これから体重が追いつくだろ》
《デスネ》
《だからそのためにもちゃんと飯食えよー》
《食べてますよ》

 大食いの日向や王様たちほどではないにしろ、僕だってそれなりに食べてる。
 ……食べても身長に吸い取られている感は否めないケド。

《春高の時には、黒尾さんのスパイク、ドシャットしてみせますから》

 少し、意地になったかもしれない。
 宣戦布告は、僕にしては珍しかった。

 高校生には大きい、2つという年齢の差。
 でも、コートでは対等だと思う。
 プレイヤーとして、対等でありたい。

《楽しみにしてるぜ、蛍》

 思わず顔を覆った。
 だって、こんなの、ずるい。

 バレーの話をしているときに、名前呼びで恋人の甘さを出すなんて。

 これが通話だったら、きっと声が詰まって赤面がバレていただろう。

《僕も楽しみにしています。オヤスミナサイ》
《おやすみ、しっかり疲れ取れよ》

 ちょっと切り方が不自然だったとは思う。
 けどこれ以上は僕の心臓が持たないから許してほしい。

 返信は三日月の上で黒猫が寝ているスタンプを送るだけに留めて、トーク画面を閉じた。


END

2016/06/01

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