BOOK ハイキュー!!
□月島×影山01
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勉強を教えてくれ――
日向と王様がそうボクに頭を下げたのは、つい数日前のこと。
もちろん断るつもりだった。
だって個人の時間を奪われたくないし。
何よりボクは、バカが嫌いだ。
精神的な健康のために、あの二人とはなるべく係わりたくはなかった。
それなのに山口が「部活の前後にちょっとくらいならいいんじゃない…?」なんて言うから、断れなくなって。
渋々ボクは部活前後の数分、バカ二人の相手をすることになった。
あの二人は極力視界に入れたくない。
それなのに休み時間にも連れ立ってきたりするから……。
こんな状態で曲に集中なんて出来るはずもなく、ボクは溜息を吐いてヘッドホンを外した。
「ツッキーってホント日向と影山のこと、嫌いだねぇ〜」
間延びした、山口の声。
そうだね、と曖昧に返して、ふと気付く。
日向はどうでもいい。
好きでも嫌いでもない。
でも王様は?
自分の中では、“嫌い”だと認識していた。
でも何だかんだ言って勉強をみたりしている。
普段のボクなら、赤点を取って遠征に行けなくなっても、『ザマアミロ』と笑うだけなのに――
(ひょっとしてボク、王様のことが、好き……?)
「ないない、絶対にない…」
「ツッキーどうしたの」
「山口うるさい」
「ごめんツッキー!」
からかったりしてるのは、ボクが王様を好きだから?
なんて、ボクに限って小学生みたいなこと、ありえないデショ!!
END
2014/01/12