BOOK 黒子のバスケ2
□火神×黒子10
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小さいころから、毎年誕生日プレゼントは母が書いた物語だった。
年齢が上がるごとに、その内容は変わって、童話だったものが去年は本格的なミステリになったりと変化はあるけれども。
本当に、普段BL小説を書いているとは思えないような、息子の欲目を抜いても、大御所顔負けの出来だった。
◇ ◇ ◇
「今年はどんなのがいいか、考えておいてね」
12月に入って間もない日曜日、唐突にそう母に言われて、「え?」返すと、「テツヤの誕生日プレゼントよ」と言われた。
「嫌ぁね、忘れてたの?」
「えっと…」
「仕方ない子ね、まったく」
呆れたように溜息を零す母に、ボクは曖昧に笑って見せた。
実をいうと、前々から考えていたものがある。
けれど、受け入れてもらえるかどうかずっと悩んでいて、今も言い出すべきか逡巡する。
「なあに? どうかしたの?」
「あ、いえ…」
母なら理解してくれるだろうか。
二次元と三次元は違う。
このことは理解しているつもりだ
それでも母なら。
根拠なしの信頼だが、生まれてきてからずっと接している相手だ。