BOOK 黒子のバスケ2
□木吉×日向03
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「げ……ッ」
思わず呻き声が漏れた。
教卓から数歩離れたところで固まったオレに、カントクがキツイ視線を投げつけてくる。
(『どんだけ悪かったのよ、テスト』)
そんなふうに思っていることが分かるほど、オレたちの付き合いは長い。
それにしても、この点数は――
(ヤバい…、ヤバ過ぎる)
今までも決して良いと言えるような点数ではなかったけれど。
これはヤバすぎる。
頭の中を、数字がグルグルと回った。
46点。
こんな点数を取ったのは、初めてである。
赤点?
(いや落ち着けオレ、)
中間では59点あった。
それを足して÷2.
さらに0.8をかけて平常点を足すのだから――。
大丈夫。
平常点がなくても42点。
これに平常点をたすのだから、きっと5段階評価で3はある。
頭の中で計算を終えて、机に突っ伏す。
割と本気で、点数を見て焦った。
大体、オレはちゃんと勉強するつもりだったんだ。
出来なかったのはアイツが手を出してきたからであって、断じてオレのせいではない。
日ごろの勉強が足りないのを棚上げして、脳内で木吉に全責任をなすりつける。
木吉が手をだしてくるからだ、と言っても、客観的に見れば拒めなかったオレも悪いんだろうけど。
それでも点数が悪いのは木吉のせいだ。
よし、後で一発殴る。
握った拳にさらに力を込めると、机に押し当てられたシャー芯が、ポキリと折れた。
END
2013/07/11