BOOK 黒子のバスケ2

□木吉×日向02
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「ン…ッ」

 胸の尖りを摘まれて、甘い声が漏れる。
 オレは懸命にそれを殺して、木吉の頭を押す手に力を込めた。

「いい加減に…しろっての」

 搾り出した声は甘く掠れていて、木吉は笑って嫌だと言う。

「ざけんな…ぁっ。課題、平常点…が、」

 ただでさえ英語は苦手なんだから、提出物で平常点を稼いで評定平均を上げないといけないというのに。
 木吉は学年トップクラスの成績だからいいだろうけど。
 3年生の1学期は大切なんだぞ。

「後でオレのを写せばいいだろ」

 そう言って木吉はゆっくりとオレの唇を塞いだ。
 抗議の言葉すら奪われて、ザラつく舌の粘膜同士が擦り合わされる。
 上顎を舐められて、躰の奥に何か熱いものが生まれる。
 抵抗を諦めて腕の力を抜けば、木吉は笑ってシャツのボタンを外した。

「ぁ……」

 胸が期待するように波打つ。

 アンダーシャツも捲り上げられて、ピンッと尖ったものに唇が触れた。
 誘うようにチロリと覗く赤い舌先が、尖りの上を往復する。

「んん…ッ」
「ひゅーが、声出して。今日ばーちゃんもじーちゃんもいないし」
「嫌、ぁ」

 掠れた声と共に首を振る。
 仕方ないなぁ…と苦笑されて、両手を捕らわれた。

「やめ…ッ」
「日向が強情なのが悪いんだろ?」

 オレのどこが悪い。
 そう言いたいのに、最早口からは喘ぎ声しか出ない。

「ふぁぁぁ!!」

 不意に眼前を星が飛んだ。
 歯を立てられた尖りが、熱を持つ。
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