BOOK 銀魂
□銀時×桂01
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ヅラがコイツみてぇえな、ただの人殺しに負けるわけがねぇ。
そう、思っていた。
「しかし桂ってのは、本当に男かィ? このなめらかな髪…まるで女のような…」
それでも、似蔵が髪の毛を味わうように口に含んだとき、体中の血液が沸騰する感じがした。
ヅラの黒く長い髪の毛は、俺が何よりも気に入っていたものだからだ。
やられたとは微塵も思っていねぇ。
それでも、許せなかった。
◇ ◇ ◇
「何だ、銀時」
「……イメチェンは、許さねぇからな」
すっかり短くなってしまったヅラの髪の毛を摘む。
一応の形だけ整えられた髪は、指で梳いても、すぐに落ちてしまう。
「すぐにまた伸びるさ」
あぁ、こんなことなら、切られた髪を似蔵から奪っておけばよかった。
もうすぐヅラは行っちまう。
「銀時、また何処(いずこ)かで会おう」
「あぁ……“またな”」
END
2014/07/10