BOOK 黒子のバスケ
□高尾×緑間02
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雨が涙を隠す。
天を睨みつける真ちゃんの表情は、オレからは窺うことが出来ない。
真ちゃんの心情を映したような空模様を見てると、何だかオレまで泣きたくなってきた。
「なーあー。もう帰ろうぜぇ」
暗い心と空に嫌気が差して言えば、真ちゃんから返ってきたのはしゃがれた可愛げのない言葉。
「勝手に一人で帰ればいいだろう」
「そういう訳にもいかないっしょ。大坪サンに頼まれちゃったしー?」
精一杯おちゃらけて言ってみせるも、真ちゃんは無言。
時たま喉がヒクリと震えている。
「…次こそ」
「真ちゃん?」
「次こそは、勝つのだよ」
「うん」
今日の負けは無駄じゃない。
そう言えるかは、これからのオレらにかかっている。
もっと練習して、もっと強くなって、アイツらを倒す。
雨の上がった空に、そう誓った。
END
2013/05/04〜2013/05/05