BOOK 黒子のバスケ

□高尾×緑間02
1ページ/1ページ


 雨が涙を隠す。
 天を睨みつける真ちゃんの表情は、オレからは窺うことが出来ない。
 真ちゃんの心情を映したような空模様を見てると、何だかオレまで泣きたくなってきた。

「なーあー。もう帰ろうぜぇ」

 暗い心と空に嫌気が差して言えば、真ちゃんから返ってきたのはしゃがれた可愛げのない言葉。

「勝手に一人で帰ればいいだろう」
「そういう訳にもいかないっしょ。大坪サンに頼まれちゃったしー?」

 精一杯おちゃらけて言ってみせるも、真ちゃんは無言。
 時たま喉がヒクリと震えている。

「…次こそ」
「真ちゃん?」
「次こそは、勝つのだよ」
「うん」

 今日の負けは無駄じゃない。
 そう言えるかは、これからのオレらにかかっている。

 もっと練習して、もっと強くなって、アイツらを倒す。
 雨の上がった空に、そう誓った。


END

2013/05/04〜2013/05/05

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ