BOOK 黒子のバスケ
□火神×黒子09
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「あ゛――ッ」
ついに耐えれなくなった火神君が、シャーペンを放り投げて髪を掻き毟る。
ボクはプレイヤーとしての性でついそれを目で追って、火神君に向き直った。
「頑張ってください。あと3分の1くらいですから」
「もう嫌だっつーの!! 大体こんな勉強、いつ使うんだよッ」
「『今でしょ』」
「ドヤ顔うぜー」
「すみません、冗談です」
荒れる火神君に「どうどう」して、(「オレは馬じゃねーッ」)ボクは頬を掻く。
「正直なところ、ボクも数学は必要だと思いません。こんなの極めたい人だけがすればいいとすら、思います」
「じゃあやらなくていいじゃねーかよ!!」
「やらなきゃ単位が取れないので」
ふぅ。
ボクと、部屋の隅にいる2号の溜息が重なった。
「ボクはね、」
そう前置きして、突っ伏す火神君と視線を合わせる。
「来年、君と一緒のクラスになれないのは嫌です。留年しないように勉強してください」
「黒子と…来年も一緒のクラス…。うぉぉぉお!!」
雄叫びを上げて、問題集に数式を書き込んでいく。
そんな火神君をボクは部屋の隅で2号と一緒に見ていた。
「……ちょろいもんですね」
「ワンッ」
火神君が“ヤル気”になるのは、ボクと、バスケに関することくらいなのですから。
END
2013/07/14