BOOK 黒子のバスケ
□火神×黒子01
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「――しょう、ちくしょう…」
震える小さな肩。
頭に被ったタオルの間から落ちる雫は汗か涙か。
消える【バニシング】ドライブを青峰に破られて、自棄のように放った加速する【イグナイト】パスも止められて。
自分の全力を「ムダだ」と言われ俯く背中を、撫でてやりたくなった。
震える肩を抱いてやりたくなった。
でもそれすらできなくて、ただ、タオルの上から頭を鷲掴むだけだった。
「ムダなわけねーだろバカ」
見上げてくる虚ろな目を見ることができずに、背を向けたまま、これだけは伝えたい――それだけを言う。
「みんな信じてるぜ、お前は必ず戻ってくるってな」
お前の努力を「ムダ」と言うなんて、許さねぇ。
オレが青峰【アイツ】に教えてやる。
「ムダな努力なんざねぇってな」
あんな小せぇ背中にもう何度も助けられてきたんだからな。
今度はオレが黒子【アイツ】を助けるんだ!!
END
2012/11/04