BOOK BROTHERS CONFLICT
□椿×梓01
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椿とこんな関係になったのは、一体いつからだろうか。
始まりというものは曖昧で、躰を重ねたのは高校生の時だけど、本当は互いに手で刺激し合った中学生の時かもしれない。
「…はぁ。梓、なに考えてんの?」
「始まりは、いつだったっけ……ってこと」
送り込んでくる腰を動きが不意に止まって、目線が合わさる。
「多分、母さんの腹の中じゃね?」
「そ…っか」
生まれる前が僕たちの始まりといわれ、自分でも奇妙だと思うが、少し安心した。
日を跨いで生まれてきた棗とは、タマゴが違う。
三つ子だというのに、僕たちは棗とは違った。
「梓は俺だけのだし、俺は梓だけの」
「……うん」
声優というのは体力的にもハードな職業で、いつも椿は僕をいたわるように動き、決して自分本位にがっついたりはしない。
ヤる、というよりかは一つになるのが目的の僕たちはそれでも満足なんだけど、たまにはメチャクチャにされたくて。
「ねぇ…僕、明日の収録は昼からなんだ」
「マジ?」
「だから、椿のしたいようにシていいよ」
心も躰も、一番深いところまで椿を迎え入れるように。
何もかもをさらして、僕は腕を広げた。
END
2014/06/25