BOOK 黒子のバスケ2

□日向×伊月08
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「ご飯にする? お風呂にする? それとも…オレ?」

 白いエプロンで出迎えたオレに、日向は目を丸くして、狭い玄関にカバンを落とした。
 滑稽な表情に込み上がった笑いをしゃがむことで隠して、飛び散った中身と共にカバンを拾う。

「な…っ」

 日向は顔を真っ赤にして、口をパクパクさせている。
 ちょっと可愛い、なんて思うのは、惚れた弱みだろうか。

「飯食ってから風呂!」

 赤い顔のまま、ドカドカと足音を立てて、日向はリビングへ向かった。

「…ヘタレ」
「聞こえてるぞ!」

 …地獄耳なんだから。
 ヘタレのくせに。
 ヘタレのくせに。
 大事なことなので、2回言いました。

「風呂入ったら、お前を食うから!」
「…ぇ」
「それとも、今すぐがいいか?」

 やべ、もしかして、クラッチ入れちゃった?
 眼鏡の奥の光を見つけて、明日立ってられるかな…と思いつつも、「今すぐ希望」とオレは両手を広げた。


END

2013/09/26〜2014/03/13

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