BOOK 銀魂

□土方×沖田03
1ページ/1ページ


 カハッと吐き出された息。
 首に回した手に、更に力を込めた。

「総……悟……っ」

 俺の手では回りきらない首も、両手を使えば気道は塞げる。
 そして土方さんは、腰に跨る俺に対して、抵抗らしい抵抗はしてこない。

 いいんですかィ?
 俺があと数分でもこの首にかける手に力を込めれば、アンタは死ぬ。
 それは俺が望んでいることでもあり、望んでいないことでもある。

「総悟……大丈夫、だ。俺は……殺されたりなんかしねぇ」

 意識の霞む目で、それなのにアンタは真っ直ぐ俺を見据えて。
 何で……何でそんな目ができるんでさァ。

 思わず弛めちまった拘束をそっと指で解いて、土方さんは上体を起こした。
 二度、三度と激しく咳き込んだその首には、クッキリと俺の両の指の跡が付いている。

「『鬼の副長』がそこらへんの攘夷志士やゴロツキなんざに殺(や)られると思うなよ」
「……そうなるなら、俺がこの手で殺してやりまさァ」
「残念だが、俺が死ぬのは、年食ってから布団の上だと決まっていてな」

 不敵に笑う、『鬼の副長』。
 釣られるように、俺も笑った。

 アンタが、それを望んでいるように感じたから。

「なら俺は、それまで薄汚ねぇブタ共が襲ってこないように、見張っててやりやす」


END

2014/08/23


後書き

 何でだか銀魂の土沖は病みますねィ。
 多分総悟が大人しく俺の中でデレてくれないせいだろうが。

 そして書いてて思ったのが、銀魂の土方さんに『鬼の副長』なんて二つ名があったかということなんだが……
 幕末Rockにはないにしろ、薄桜鬼にも手を出しかけている現状(しかも本来の新撰組も好む)、どの土沖だか、頭が混乱していやすぜ。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ