BOOK 黒子のバスケ
□紫原×赤司02
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部屋に入った途端、何もかもを捨てて抱き合った。
カーテンが開け放たれた窓すら気にせずに、キスをし、唾液を交換し合う。
クリスマス前のこの時期、眼下に広がる夜景は、街そのものがイルミネーションのようになる。
紫原の向こうにそれを見ながら、赤司は霞む思考で充実感を噛み締めていた。
この間までは、このように会うことすらままならなかった。
今日も束の間の逢瀬である。
明日の朝早くに会議があるため、赤司は少なくとも日付が変わる頃には、このホテルを発たなければならなかった。
「赤ちん…会いたかった」
「ああ…オレもだ」
そして、僕も会いたかった。ともう一人の赤司が付け加える。
誕生日おめでとう。
そう言った紫原は、一つの身体に宿る、二人の赤司征十郎を抱きしめて、柔らかなキスを贈った。
END
2013/12/23〜2014/02/14