BOOK ダイヤのA

□降谷×春市01
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 チャイムの音で、ふっと引き戻された。
 どうやら授業が終わったらしい。

「おはよう、降谷くん。よく寝てたね」
「……うん」

 どうせならHRが終わるまで寝ていたかったな。
 寝て、起きて、投げてがすべてだと幸せなのに。

「……小湊、来て」
「どうかしたの?」

 近寄ってきた小湊の手を引っ張って、もっと距離を縮めさせた。
 バランスが崩れたのを抱き留めて、そのままぎゅーってする。

「えっ、どうしたの!?」
「……寒いから、あたたかくなろうと思って」
「僕をカイロ代わりにしないでよ……」

 あたたかいけど、くっついてないところは寒いままだ。
 もっとあたたかくなる方法は……。

「よいしょ」
「うわっ!? ちょっと、何……」
「抱っこ」

 小湊を膝の上に乗せて、ぎゅーってする。
 これだったら、お腹も脚もあたたかい。

「さすがにこれは恥ずかしいんだけど……」
「そう?」

 これが恥ずかしいの?
 あ、でも、耳が赤くなってる。

「……あたたかいと幸せ」
「うん……そうだね」


END


おまけ

「降谷ー、HRするから小湊放せー」
「Zzz……」
「先生…降谷くん寝ちゃってます…」


本当にEND

2014/11/19

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