BOOK ダイヤのA
□結城×伊佐敷01
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いつか漫画のような恋をするのだと思っていた。
一目見ただけ、すれ違っただけで恋に落ち、偶然の再会を果たした人と結ばれるのだと。
今思えば、随分乙女思考な想像だったけど。
「て、つ……」
囁いた名前は、キスの熱で溶かされる。
舌を吸い取られて、唾液を啜られる。
ストッパーのなくなった犬は、待ても聞かずに先へと進もうとする。
優しく指先でなぞられた耳も、何度も吸われた唇も。
ドロドロになって哲に食われる。
END
2014/07/03