BOOK 鬼灯の冷徹
□白澤×鬼灯01
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「ホントお前、ツンデレすぎるよね…ッ。ていうか…、ツンツン?」
「そういう貴方は、ろくでなしの色魔だと…自覚してるのですか」
繋がった下腹部が、グチュリと音を立てる。
甘ったるい言葉などない、憎まれ口の応酬をしながら、性感を高めあっていく。
普段は赤と黒の衣にきっちり覆われている白い太股を抱えて白澤が腰を回せば、鬼灯は声を堪えて低く呻く。
清潔に切り揃えられた爪が白澤の肩を滑り、擬人神獣の肌に赤い線を幾本も描いた。
仕返しとでも言うかのように、白澤が衣の落ちかけている鬼灯の肩に噛み付けば、ビクリと一層激しく脚を跳ね上げさせ、鬼灯は頂点へ達する。
不意に力の抜けた鬼灯の躰がベッドへと倒れこむ途中、白澤は鬼灯の体内へ、熱い思いを注ぎ込んだ。
「あー、くそっ」
また引きずられた。
舌打ちをする勢いで呟くと、白澤は額の『目』を避けて乱れた髪を掻き毟った。
そして同じように鬼灯の散らばる髪を掻き回す。
その目にはかすかな慈愛があった。
ムッと下がった口角、鋭い目つき。
罪人であれば誰もが逃げ出したくなるような顔は、白澤の元へ唐突に訪れた時、険しく尖っていた。
閻魔大王でも晴らせぬストレス――
仕事が忙しいというより、むしろそれは、白澤不足と言っても過言でないかもしれない。
己の自惚れではない、と白澤は思うのだが、鬼灯の“ストレス発散”は自らを痛めつけるような抱かれ方を求める。
「いいかげんにしろって、言ってるのにさ」
まったく、しょうがないな。
欲しいのなら、いくらでもくれてやるよ。
そう呟いて、もう一度鬼灯の髪を撫でた。
END
2014/04/25