BOOK 家庭教師ヒットマン REBORN!!
□スクアーロ×ディーノ03
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「スクアーロ、居る?」
開いたドアに、視線を向けた。
「あ、良かった。居た」
「……今日は何の用だ?」
毎日毎日、コイツは用事を作ってオレの部屋にやってくる。
暇なのか、友達がいないのか。――友達がいないから暇なのか。
「えーと。用事はな、い…」
「――お前な、」
溜息を吐いて、読んでいた本を閉じた。
まぁこっちも暇だったからいいんだけどよ。
遠慮がちに近寄ってきたディーノの腕を引っ張る。
「いつまで突っ立ってるつもりだ?」
「ゎわっ」
倒れてくる躰を受けとめて、唇をひん曲げた。
「へなちょこ」
「急に引っ張んないでよ」
「ボンヤリしているテメーが悪い」
ベッドに寝転んでいた体を起こし、空いたスペースにディーノを座らせる。
「何の本読んでたの?」
「あ゛? …つまんねー本。暇つぶしに図書室から借りてきた」
「スクアーロも暇だったんだ」
ほわり、と笑ったディーノに、――オレはその口を塞ぐようにキスをした。
「いいか、絶対に他の奴の前でそんな表情【カオ】すんじゃねぇぞ」
「え、どうして?」
「理由ぐらい自分で考えやがれ」
間抜け顔にデコピンを食らわせる。
「ぁ痛っ。――あのねスクアーロ、」
「ん゛?」
「オレが笑うのって学校の中ではスクアーロだけなんだよ。他の人はあまり好きじゃない……」
安堵した。
男ばかりのこの学校で無邪気にあんな顔をされたら――。
ハイエナが群がるだろう。
「だからね、ほんとにスクアーロだけ。部屋に遊びに行くのも、……キス、するのも」
(他の奴ともホイホイされてたまるかっ)
コテン、とディーノが左肩に凭れてきた。
蜂蜜色の瞳から注がれる視線が、頬の辺りにある。
「ねぇスクアーロ、」
「あ゛?」
完全な不意打ち。
あっさりと舌の侵入を許していた。
ぎこちなく舌が絡む。
いつになっても上手くならないキス。
ディーノの腰に手を回すと、主導権を奪った。
「んっ、」
柔らかい舌を貪り食らう。
甘い。
「っは、ぁ……」
ディーノを抱き締めて、呼吸を整える。
「すくあーろ、すき……」
くしゃり、と金髪を撫でた。
しばらくこのままでいたい。
この感情が独占欲か、それとも恋情なのかはオレ自身にも分からないけれど。
コイツの笑顔はオレだけのものだ。
他のハイエナには絶対にやらねぇ。
END
2012.3.14