BOOK テニスの王子様2
□真田×幸村01
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『無敗で帰りを待つ』
俺が倒れたとき、真田はそう叫んだと、見舞いに来た仁王に後に聞いた。
(あぁ俺、ちゃんと愛されてた)
不覚にも、そう思ってしまった。
だって俺たちの関係は、いつも俺からだったから。
真田には古風なところがあるから、『恋愛なんて軟弱なもの』と考えてるんじゃないかと思ってたんだ。
ジワリと、涙が滲む。
指先すら動かすことがままならない体で目をしばたたかせると、仁王はクルリと背を向けた。
「それだけ。じゃあの、」
音を立てて閉ざされたドアに向かって、俺は言葉を発した。
「仁王…ありがとう」
END
2013/07/16