BOOK オリジナル

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 女の子の色だと言われる赤は、昔から好きではなかった。
 その僕が、ただ一つ愛する、赤――

 真紅の血液。

 明るくも暗くもなる赤は、何を表しているのだろうか。
 まだ解すことはできないけど、もっと見たら分かるのかな。

 腕に大きく開いた醜い傷と、そこからあふれ出す血。
 白い肌を伝って、肘から落ちていく。
 ぱたりぱたりと、机に不規則な水玉模様が描かれる。

 ねぇ、君が持つ意味を、僕に教えて……?


END

2014/08/23

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