BOOK 黒子のバスケ2
□木吉×花宮01
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拳を出すアイツ。
メガネに拒否られてやんの。
それでもアイツは嬉しそうに笑う。
沸々と、腹の底から怒りがこみ上げてきた。
理由なんて分からない。
ただ、笑うアイツが気に食わなかっただけだ。
この感情になんて名前がついているかなんて、知らない。
アイツが笑いかけているのがオレじゃないことにムカついて――
だからオレは――
「ザマアミロ」
メガネに胸倉を掴まれながら、聞こえないように小さく呟く。
担架で運ばれていったアイツの膝は、少なくともしばらくは使い物にならない。
どんなすごい選手だって、潰れればただのゴミだ。
オレが、アイツをゴミにした。
オレがアイツを――
「…ふはッ」
これでアイツの記憶に焼き付けられるのは、オレ。
あのメガネじゃなく、オレだ――
END
2013/11/04