Main(長編)
□08 大事な妹
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朝から脅し起こして、ビンタを食らい
機嫌を損ねさせては学校に行かせた。
片付けてから霊界に帰り、澪からの連絡を待ちつつ仕事をしていた。
親父は澪を嫌っている
お互い嫌っているのである意味感謝している。
澪が嫌っている理由は他でもない、生前に親父の手によってわしの目の前で真っ二つにしたからだ
覚えてなくても嫌いになるだろう、少なくとも好んだりはしない
親父は澪の性格が気に入らんらしい
澪はわしより立場は低いのに、その立場を利用して親父に楯突く。親父は澪に勝ったことは指で数えられるぐらいしかない
「ふぅー…、この姿もいいが……」
子供の姿と青年の姿
二種類ある
澪の前では青年の姿でしか会っていない。
子供の姿であったとき、"にいさんなのににいさんじゃない"って言いながら大泣きしていた頃があった
それ以来、子供の姿で会うことは極力控えてる
部屋に誰かいるときは子供の姿になるが…、最近は青年の姿でいる
「澪………」
人間の友のためにそいつが死ぬまで人間界に居させて欲しい
欲のない澪の初めての願い
寿命は人間よりも倍にあるから、許可はしたが今になってやめさせればよかったと思う。
最近はもっと、間近にいて欲しいと思う気持ちが強くなってきた
束縛したい…
これが独占欲か
親父に従い続けてきた時には知りもしなかった欲だ
澪が来てくれてからか
いろんなことを知り始めたのは…
心配、世話、あやし、コミュニケーション、兄弟、独占欲…
そして、愛情
親父が知れば澪は消されるだろうが今の澪は霊界に居なければならない存在
次の手を打たれる前に
どうすれば、親父に邪魔をされずに一緒にいられるかを考えねば
「最近は青年の姿でいることが多いですね、コエンマ様」
「気に入らんか?」
「いえいえ、これも澪さんのおかげかと」
「ジョルジュ、分かっておるだろうが澪に手を出すなよ…」
「わ、わかってますって!ほらほら、仕事仕事!!」
少なからず、今は大丈夫だろう…
「そろそろ、連絡が来てもいい頃じゃが…」