Main(長編)

□07 義兄さんと夜
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夕食を済ませた後、先に入浴させてもらった


「だぁぁぁあああ」


シャワーを済ませ、ヒタヒタにお湯をいれた湯船に浸かりザァァァアアッとお湯が落ちて地につく音がする



"わしだって男だ"


義兄さんは好きだ
兄弟として、また……異性としても


でも、今はどうなんだろうか

よく怪我してやってくる飛影や人間の姿に眩ませた蔵馬


また、忘れるとはいえ
気になることは気になる



「飛影はともかく…南野」


実のところは好きだ
妖狐蔵馬の時は何一つ偽らずに居た、彼が妖怪だったから
だから、気が楽だった。

南野が蔵馬と分かるまでは…

わかってしまった今は複雑な気持ちだ


南野としての彼は面白い
でも、妖狐蔵馬としての彼と思うと辛くなる


あの頃の事はきっと覚えてない。
楽しく遊んでいたあの頃の事は…。
魔界なら私のことを覚えてくれてるものは多少はいる

でも、人間界にいるの
なら私に関する記憶は抹消される


だから、彼は妖狐蔵馬として私と関わってきた事は何一つ覚えてない



「ふぃ〜………、今回の学校生活は大変なことになりそうだ」


逆上せる前にあがり、生乾きの髪を乾かすためぶーんっと音をたてて風を起こす扇風機の前に陣取った


義兄さんは入れ違うようにシャワーを浴びにいった



「わぁぁぁー」

扇風機の前なら誰しもがやる行動


こうやって遊ぶのも何度目になるのだろうか

同じことを何度も繰り返す。
同じように起きて、同じように学校に行き、同じように寝る
そして、一年たてば忘れられまた新しい土地で暮らす


飽きてきたが私をいつまでも覚えてくれてる友人が死ぬまではここにいると決めた


「あがったぞ…って、髪ぐらいちゃんと拭かんか」


「母親みたいなこと言わないでよー」


「母親じゃなくてお前の兄だ」


「ふふ、そうだったね。義兄さん」



体の成長が遅れてるせいで、性行為は一度もしてない

と言っても、花を散らしてないだけであってある程度のテクニックは身につけてある


30越えてるのになぁッと思っても体はやっと18近い


相手はもちろん義兄さん
義兄さん以外の人とはやったことないしやりたくない

「いつまでたっても手のかかる妹だ」


「あら、そんな妹にベットインの技術を教えたのは義兄さんでしょ」


「そんなこと言ってるとまた襲うぞ」


「ふふ…義兄さんなら良いよ?」

「本気でもないことを…」



「いや、そんなことないよ…。今なら、義兄さんを受け入れられるよ?」


体の成長が遅い分、義兄さんは私の体に気を配ってインサートはしなかった


「………」


「迷ってるんだ?」

義兄さんが俯いて答えない
珍しいな、
いつもならすぐに断るのに


「義兄さんが嫌ならいいよ、わたしにはまだまだ時間があるんだし…さて、布団をひくよ。さぁ、退いた退いた」

気まずい空気を変えようと立ち上がったとき、手をつかまれた


私は気にしたくなくて、敢えて顔を向けなかった


「澪…、話したことはあるじゃろうg「知ってる…、でも気にしない」…そうじゃなくて」


「義兄さん…」


「…なんじゃ」


「義兄さんは義兄さんさ。どんな風にやっても…、それが酷くても私は気にしない。寧ろ、受け止めるかな」


「…………」

進展しない雰囲気を変えるために、義兄さんと呼ばずに名前で呼んだ

「……コエンマ」


「?!……きゅ、急に呼び方を変えてどうした」

思った通りの反応、
「んー、可愛い義兄さんの呼び方をどうしたら、男とみれるかなーって」



「かわいい…」


「"義兄さん"って呼ぶより"コエンマ"って呼んだ方が少しはマシになるかと?」


「からかっておるのか」


「さぁね?」


掴まれた手を引っ張られ、抱き締められる
不安なことある度に抱き締める


「本当にいいんだな」


「いいよ、にいさん…いや、コエンマならね」
 

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