Main(長編)

□02 おとしもの
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時々、大事にしていたものを親父のとられ捨てられる。


まぁ…気にしてないと言えば気にしてないが……、一度だけ親父に怒りを覚えたことがある。


一人で散歩がてらに魔界に行ったときのことだ。


奇妙なものを売り出している老いた妖怪の婆さんの店だ。
何も買うつもりはなかったが拝借で店に立ち寄った。


特にめぼしいものはなかっだが、店主の婆さんと目があったとき、婆さんがただで物をくれた。


「おやァ…、これこれ霊界のお偉い方がここへ来るとはね…ヒッヒッヒ……土産にこれを持って帰れ」


「なんだ、それは」


「これは生き物を癒す水晶さ。傷、病、心の闇全てを癒すのさ…」


「なぜ、そんなものをわしに…?」


「ヒッヒッヒ…なんでだろうねェ…。強いて言えばそれがお前のところに居たがっているとでも行っておこうかァ…?」


手のひらに収まるサイズの水晶



見たときは何とも思わなかったが店主がくれたものだ、取り合えず持ち帰ることにした
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