蒼の旅路

□第二章
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記憶が戻ってから一年。私は4歳になった。
一年前よりも髪も身長も伸びて、前よりも活動的というか、……本能的な行動をするようになった。
性格だけでなく、身体年齢も関わっていると思う。
ぎこちない動きがなくなり目一杯動き回るこの年頃はお父さん譲りの私の性格に拍車をかけているのだ。
年齢を重ねて落ち着くようになるまでまつしかないだろう。
と言っても、お父さんはこの年になっても(今四十代前半位かな?)無茶無謀は健在らしく、大人になったら落ち着くようになるという保障はかなりすくない。というかない。
もうここは、私が大人になったときお母さんの遺伝子が、性格まで影響するようになるのを期待するしかないだろう。

と言いつつ、顔以外はお父さん似で良かったと思う。
一年前の計画通り?私は森の奥まで来るようになった。

私達が住む島、バテリラは南の海に位置し、一年を通して高温と言っても過言ではない気候だ。おそらく熱帯地方に属するのだろう。
そのため朝と夕方にスコールがあり、高温多湿な気候は島の中心の未開拓地(森)を熱帯雨林という名の獣たちの住処へと変えた。
始めは森を横切る道があったらしいが、何時の間にか猛獣が出るようになり、今では誰も使わなくなったそうだ。
バテリラは中心部の森を囲むように、海岸沿いに村や街があるので、島の反対側にある街に行こうとすると、森を横切るのにかかる時間の三倍はかかってしまう。

というわけで、私はここ毎日、この森を横切らせてもらっている。
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