Planet
□遅くなったけど…
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家に帰る気力もなく、目についたブランコに腰掛ける。
「…Happy birthday to you~ happy birthday dear………はぁ」
俺が悪い。
もう場所にこだわる必要なんてなかったんだ。
家で待ち合わせすればよかったのに。
そうすればきっとヒョンは、テレビを見ながら俺を待っててくれたはず…
♪〜
そのとき着信があった。
画面にはシウミンと出ている。
ヒョンっ?!
俺は慌てて電話に出た。
「ヒョン!どこなの?」
『どこでしょう?』
「家?」
『ちがうよ』
「じゃあ…」
声がした
「ここ、だよ。」
その瞬間、目の前にヒョンの姿が見えた。
「わ、びっくりした…なんで?」
「お前さ、遅くなるなら連絡しろよバカ!俺ずっと待ってたけど流石に寒いからギブ!近くのコンビニで待ってて、そろそろ来たかなって思ったらさ、ぶはっ」
ヒョンが吹き出す
「な、なんだよ!」
「ケーキ屋さんの紙袋握りしめてブランコに座ってさ、お前は振られた男かよ」
優しい笑顔でずっと笑うヒョン
「あー、もう!本当に振られたかと思った!なんだよ、心配した」
「ルハン?」
「ん?」
「なんでもない、ケーキ食べよ?」
ローソクに火を付け、一緒にバースデーソングを歌って、これ以上にない幸せ。
「ルハンこっちおいで」
「んー?」
頬についた生クリームをペロっと舐めるヒョン。
「へへ」
ヒョンがはにかむ
でも俺は…
「ヒョン、そこじゃなくてここでしよ??」
そう言って俺は甘いショートケーキ味のキスをした。
End