Planet
□遅くなったけど…
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仕事が長引いた。日付が変わってしまうまであと30分弱。
間に合わないかな?
いや間に合う!走れば間に合う!
一心不乱に俺は走った。
オフィス街から少し離れたところの公園。周りはたくさんの家が並んでいる。けど、夜は静まり返っていた。
会社を出て、バスに乗って…バス停からこの場所まで走ってきた。
けど、
いない。
そりゃそうだよね…ヒョンには22時頃に仕事が終わるって言ったし…
今は23:50
せっかく間に合ったのにな…
「…はは」
弱々しい自分の笑い声が漏れる。
いつも俺たちはこの場所でお互いの誕生日を祝った。
学生の頃からずっと。
こんなことは初めてだ。
ヒョンがいない。
俺も仕事を始めて忙しくなった。会う機会も減った。
右手に握りしめたケーキ屋さんの紙袋…
なんだか寂しいな
この日をずっと楽しみにしていたのに、今日だって仕事いっぱい任されたけどできるだけ早く終わらせようとした。
でも、ヒョンはここにいない。