恋は口に苦し

□人生の終わり
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その日もたいしていつもと変わらずあくびなんかしながら学校へ向かっていた。
いよいよ来年から高校も最高学年になってしまう。
毎日が楽しく、あっという間だった。
年をとると時間がたつのが早く感じると言うがあながちそれも間違ってないかもしれない。

それにしても先輩の卒業式が終わり終業式まで授業がない、この半端な時期は学校に行っても掃除か講話。
正直退屈でそんなことなら春休みをはやく始めちゃえばいいのにと毎日のように友達と愚痴を言い合っている。
実際に今日も講話がある。
内容はなんだったかな…昨日担任が帰り際に言っていたことを思い出す。

「性と男女交際について」
ああ、私には関係のない話だったっけ。
だいたいこういう話は気まずくて聞いてられないからやめてほしい。


たしかにその時はいろいろ考えていたし(ほんとうにくだらないことだったけど)、少し眠たかったけれど自転車の運転にまちがいはなかったと思う。
というかもう2年は同じ道を通っている。

信号を待っていた。
赤だったから。

それから先は私にもはっきりとした記憶はない。
おそらくひかれたんだと思う。
所謂即死の状態だったからその瞬間の記憶が曖昧なのだ。

ただやり残したことがないわけではない。
私は絵が好きだった。
自分が描いた絵を大勢の人に見てもらうのが夢だった。
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