短編小説
□狂おしい程お慕い申し上げます
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『某と政宗殿はいつかは殺し合うのでしょうね』
「あ?rivalなんだから当たり前だろ?」
そう…
某と貴殿は好敵手
本来は首を取り合い争うだけ…この時間が異例なのだ
『政宗殿が某に勝ちましたら某を食べてくださいませ』
「what?いつもは破廉恥だって騒ぎやがるのに…」
『意味合いが違うでござる。この身の肉を貴殿の得意の料理にして食して欲しいという意味』
「何を言って…」
死はそれまで―…
ただの屍に成り果ててそれでお仕舞いなど嫌なのだ
せっかく死ぬのだ
無意味になどなりたくない
俺の首に少しは価値があるかも知れないけど一武将…武田の戦力を削ぐ等にしかならぬ
政宗殿の意味あるものになりたいのだ。。
この身の肉を食べたなら、それは貴殿の血や肉となり貴殿と供に生きれましょう?
そうした死ならば、この首をかけた戦いの後も怖くはない
だって一人ではないから―…
『政宗殿が死ぬ場合は某は貴殿をこの力で燃やし灰にしてそれを飲みましょうぞ』
生憎、俺は料理ができない
せっかくの政宗殿を無駄にしたくない
貴殿を灰という粉にして全て口に致したら、俺の血や肉となり供に生きれましょう?
ああ…これは狂っているのでござろうか?
そう聞いた俺に貴殿はさぁなと笑って口づけた
狂ってる?
狂っているかもしれない
でも、二人じゃなくなる時がなくなるならこれも一つの選択であろう…?
ただの打ち合いで首を取り合う殺し合いをしない世になればよい。。
狂った俺達に誰も気づかないから…