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□なりそこない
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なりそこない


それは、純粋なヴァンパイアではなくヴァンパイアに噛まれたことにより
ヴァンパイア化してしまった
いわば、半人前のこと

無論、元は人間であるため
純血に比べると力が見劣りする
これは、そんななりそこないの男の子のお話


僕は引っ越して来たばかりだった
しかも、すごいド田舎、山とか田んぼとかばっかりでも、近所に一つだけコンビニがあるのが救い
そんな、場所だった

僕はある夜、コンビニに立ち寄り漫画と肉まん(ホクホク)を買ってその帰りに

「ふふ、そこの貴方」

「?」

黒い服を着た女の人に話しかけられた
帽子を深く被り口元に笑みを浮かべている





なんか、めっちゃ怪しい!
まじで?僕、なんでこんな都市伝説に出てきそうな人に話しかけられてるの?
なに?土下座したら許してくれんの?
それだったら、三秒で土下座する自信あるよ?
情けない?
関係ないよ、だって命は惜しいもの!!
でも、普通の人とかだったら無視とか失礼だよな?
とか、考えていたら彼方から近付いてきた

「私が見えるのね?」

「.....コク」

ほらぁー!!
なんかいってるよ、私が見えるのね?とかいってるよ
こんなの、お化けか中二病の人くらいしかいないって!
...そうか、成る程
中二病をこじらせてこんな格好で夜の町、徘徊してるのか
なら、納得だ
乗ってやろうじゃないかその、中二病に!!

「ああ、見えるさ、その高貴な姿、中々の実力者のようだな?」

ふっふっふ、三年前までネットでファンタジー小説(黒歴史)書いてただけあってこういう会話は得意だよ

「ふふ、人間に私の力が見破られるとはね....」

その、女の人は少し驚いた様にしてから楽しそうにに微笑んでいる
あぁ、やっぱり友達とかいなくて
初めて乗ってくれて嬉しいんだろな
きっと、クラスとかでも空気扱いで可哀想に仕方ないもう少し付き合ってやるか!

「その立ち居振舞い、只者では無いことくらい容易に想像がつくさ、かなり、高位の存在のようだな?」

「そこまで、見破られて仕舞うなんてね、お腹が空いたから出てきたのだが、勿体無いね...」

やっべぇ!めっちゃ乗ってる
なんか、楽しくなってきた
.....って?なに?近い近い近い
その、女の人は顔を近付いてきた、帽子の下の顔は十代中盤と言ったところか、かなりの美少女だ

ていうか、目が赤い、カラコンまでして芸が細かいなー
とか考えていると、首に手を添えられた

「な、なにをする?」

あくまで口調を崩さず聞く

「ふふ、久しぶりに若い血が吸えると思ったけど、オモシロイ子だからね」

って、痛い!
まじで!?噛んでる!?
ていうか、声がでない!?
なぜ?
ヤバイ中二病もここまできたら
ヤ...バイ....
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