長編・中編

□キューピッドは語る
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1.いい加減くっつけ





「堂上教官ってなんであんなにかっこいいんですかね」



と話し始めた俺の部下の名無しさんちゃん



あぁ、これはいつものやつが来るなと考えると
予想道理、堂上への愛を語るマシンガントーク



めんどくさいな〜

「ちょっと小牧教官聞いてます?」





「聞いてるよ」



「でこの前ですね、堂上教官が私の落としたハンカチを〜〜〜」




この子と堂上の出会いは半年前に遡る





俺が事務連絡を名無しさんちゃんにしているときに堂上が俺のもとにやってきた




「小牧、次の会議についてだが…」



ドンッ




ちょうど廊下の曲がり角のところで話してたものだから、堂上は曲がりしなに名無しさんちゃんとぶつかっちゃった


「あぶないっ」




堂上がとっさに名無しさんちゃんを支えたんだけどその時の二人の顔といったら


名前ちゃんは恋する乙女の顔になっちゃうし

堂上もゆでだこみたいにまっかになっちゃって


あぁ、これはお互いに惚れたなって思った





なのにお互いぜんぜんアタックできないっていう…もどかしいなぁもう



名無しさんちゃんのマシンガントークを振り切った俺は今度は堂上につかまった



「なぁ、小牧の部下の苗字さんにクッキーの礼を言っといってくれ」



「えぇ〜それくらい自分で言ってよ。それよりなにクッキーって。もらったの?」


「ああ、この前座学の復習に付き合ってやった礼らしくてな」



「へぇ、まだある?俺も食べたい!」



「だめだっっっ!」



「なんで?独り占めしたいの?名無しさんちゃんの手作りだもんね」



ちょっといじめたら、堂上ったらすぐてれちゃて



「あほか貴様っ!」


って言ってどっかいちゃった



あきらか両思いだよな〜あれは



「いい加減くっつきなよ〜」








いい加減くっつけ
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