SPEC小説

□守る鳴き声
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「その話し中に出てくる鶯は、 女はずっと俺のものだから近づくな!! 絶対に墓には近づくな!! って鳴いてるんですよ。 で実際、鶯が鳴くのはオスで、可愛くて綺麗な 鳴き声ですが、自分の縄張りに入ってくるな! 的な感じで守るために、警戒とか威嚇で鳴くみ たいなんですよね」

「えっ…そうなのか?」

「そーなんすよ。 だから、リアルに感じたんです。 今、鳴いてる鶯も何か守りたいものがあるから 鳴くんですよね…きっと」

梅の木に止まる鶯を見てふっと笑う姿が儚げに 見えた瀬文は、当麻の手を握りしめ話し始め た。

「当麻…。俺はお前の側にいて害するものが 現れれば、鶯のように鳴き続けて威嚇してや る。 お前に近づくんじゃねぇ…触るんじゃねぇて。 でも俺は、可愛く鳴くんじゃなくて吠えてやる よ。 もちろん、威嚇だけじゃ許さねけどな。 だから何かあったら、いつでも呼べ。 一人で無茶はするな」

当麻は、ヘラりと笑い瀬文を見上げた。
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