SPEC小説
□再会
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当麻を撃ちどのくらいの時間が経ったのか…
瀬文は、廃屋のような牢屋で胡座を組み何かの気配を探すかのように瞑想をしていた。
「遅い…やっと来たか」
瀬文は、そう思うと同時に細い腕を掴んだ。
当麻の腕だ。
腕を掴まれた当麻は、一瞬驚き目を見開いたが少し微笑むと、瀬文の腕を握り返した。
当麻の身体はふわふわと、シャボン玉のように浮いていたが、急に身体が重くなり、瀬文の側にぺたりと座り込んだ。
しばらく、お互い見つめ合っていたが
そっと瀬文が当麻を抱き寄せた。
当麻は瀬文の存在を確かめるかのように抱きついた。
「どこへ行ってた…?
待ってろとっ…と言ったはずだ」
「すみません…でも、ちゃんと瀬文さんが見つけてくれました。
また、お逢いできてだいぶ感動です」
「ふっ…俺もお前に逢えてよかった。
もう、二度と離れるな」
「うすっ…」
瀬文は震えながらも、力強く当麻を抱きしめた。
そして涙か溢れ、何度も鼻をすする度に当麻から泣き虫だと笑われた。
二人が交わした再会の約束…