SPEC小説
□花言葉
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捜査で聞き込みをしていた、瀬文と当麻は 公園の前を通りかかった。 今日は春の陽気でぽかぽか。 子供たちのはしゃぐ姿、ベンチで気持ち良さそ うに寝ているサラリーマン、楽しそうに笑う カップルの姿が当麻の目に飛び込んできた。
「瀬文さん、ちょっと休憩しませんか? 今日、ぽかぽかで何だか公園で春を満喫したい気分っす♪」
仕事中で、しかも馬鹿げた当麻の提案に瀬文の 顔は、ますます眉間にシワをよせ不機嫌になった。
「当麻、今仕事中だ! てめえ、わかってんのか!? さっき、飯くって休憩しただろうが!! ほら、行くぞ、ブスッ」
「あぁ?ブスじゃねぇし。 ちょっと休憩するぐらいいいじゃないすかっ!! 瀬文のケチ!!ハゲっ!!」
当麻は瀬文の態度に腹をたてて、芝生の方に歩 いて行った。 瀬文は、当麻を置いて行こうと思ったが、しか たなく追いかけた。
「あぁ〜し・あ・わ・せ♪ ぽかぽか…ちょっと仮眠しよーと。 瀬文さんも突っ立てないで座ったらどうです か?」
瀬文は促され、寝そべる当麻の横に腰をおろし た。 確かにぽかぽかして気持ちがいい…。 瀬文も、そう思いながら横になろうとしたと き、あるものを見つけた。
『四つ葉のクローバ』
「あっ…」
瀬文は思わず声を出し、四つ葉のクローバを摘み取った。
「どうしたんすか?それ何ですか?」
当麻は起きやがり瀬文の持ってる四つ葉のクローバを見た。
「四つ葉のクローバだ。偶然見つけた。」
「うぉ!?マジすかっ!? 自然界の話しでは1/10万の確率でしか見つか らないと言われ、しかも偶然見つけたら幸せに なれると言われてる四つ葉のクローバ!!高ま りゅ〜♪」
当麻は、キラキラした目で四つ葉のクローバを 見つめ、テンションが上がった。 瀬文は、喜ぶ当麻を見てここで休憩してよかっ たかも…そう思えた。
「へぇ〜 見つけたら幸せになれるとか、お前も女の子み たいな事を言うんだな」
「あぁ!?なんすか? あたしは、女の子です! ぴちぴちのギャルですよ!」
「ふっ…。ぴちぴちの魚の間違いじゃないの か?」
瀬文の態度に腹が立ち、そっぽを向いて寝ようとしたとき四つ葉のクローバを当麻に差し出 た。